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マーケティング 2020/04/17

「ユーザー目線」という言葉の力

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こんにちは。企画営業課 神田です。

 

「ユーザー目線」、「ユーザーファースト視点」という言葉があります。
弊社でもユーザーファーストをポリシーの一つとして掲げています。

 

この魔法の言葉は、一般的にも得意先との会話、企画・制作の現場でよく出てきますが、
使う人によって危うい言葉にもなります。

 

時として、冷静にユーザー目線を追及しているつもりでも、まるで自分がそのターゲット代表であるかのような思考になりがちということが挙げられます。

 

もちろん、自分自身も何らかの1ユーザーであることは間違いありません。
しかし、特にモノづくりに関われば関わるほど、ユーザー目線から離れていってしまう事実を、認識する必要があります。

 

良い仕組みやモノ、コトを全部ひっくるめて、仮に“良いカタチ”とします。
良い・・という定義は複雑なため触れませんが、
良いカタチを作りたいと思っている人ほど、客観性を失い、自分の思い入れが強くなってしまう傾向があります。
良いカタチに近づくためには、自分の思い入れを超えた、強い客観性が必要です。

 

ちなみに、思い入れを持たないことは客観性とは違い、熱量が不足している可能性があります。

 

じゃあ、自分自身への客観性ってどうやって持つのかという話ですが、そこがやっぱり難しい。

 

テレビ、ネット、紙などメディアの垣根無く、第一線級のクリエイター、デザイナーほど見分が広く、ジャンルに捉われずに素晴らしいものをたくさん見聞きしています。
インプットを絶やさない努力(努力より好きが勝る?)があるため、自分の作るものを相対的に、幅広く比較し、ジャッジできるシビアな目を持っています。

 

すごく初歩的な話ですが、美大予備校時代の経験で、夢中になっている時にこそ客観性を保つため、
「制作物を鏡に映して見てみる」「(平面なら)天地ひっくり返す」「離れて見る」という方法がありました。他にも、目指すものや、競合のように対象となるものがあれば、それと横並びにして観るだけでも、思いっきり現実に突き落とされ、目が覚めたものでした。

 

しかし、今私たちは、そうやって鏡に映したり、ひっくり返すことができない、様々な角度からの「情報」や「時間」すらも扱い、人々の心の動きを創造しようとしています。

「人々の心の動き」という、目に見えないものを扱うからこそ、知らないうちに観念的なものに縛られやすくなります。

 

ユーザーという大多数の言葉を借りて、「自己顕示欲」を満たそうとしていないか、
自分の発言を、大多数の言葉として「転嫁」しようとしていないか、またはその言葉で相手を「孤立」させようとしていないか。
そういった個々の観念的な見方で物事を判断、進行をしないようにするために、鏡や天地をひっくり返すような、冷静になるきっかけが必要となります。

 

ユーザーの動きや思考を可視化する、データですね。

 

データをもとに、自分の考えに客観性を取り入れる。裏付けること。
つまりユーザー目線というのは、「ユーザー目線」という思い込みすら排除するほどの客観性をもつ事だと思うのです。
特に“自分自身”が、ユーザー目線という言葉を発した場合は、本当にそれはユーザー目線なのかをまず疑ってみてください。

 

私も、日々、自分の意志は強く持ちつつ、それを上回るだけの客観性を保ちたいと努力をしている過程でございます。

 

今、世の中は混沌としており、先行き不安な状況です。

実態がつかめない「みんな」という言葉を使って自分の主張・批判をする事と、
私が今回書いてきた「ユーザー目線」という言葉で陥りやすい事。
なんか危うさが似てるな・・・と思ったので、今回取り上げさせていただきました。

似てないですかね。(ふと客観性)

 

思い込みではなく客観性を身に付け、地に足をつけて、頑張って乗り越えていきましょう。

 

なお、弊社では「ユーザーファースト推進室」というプロジェクトを設け、自社サービス、メディアから集まったデータ、知見をもとに、客観的なユーザーの思考、動向を集計、分析できる仕組みを開発中です。

それに関してはまた、別の誰かが書いてくれると思います。

では、またいつか。


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