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デザイン出版・SP 2021/03/17

色・いろいろ 〜カラーグレーディング考〜

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撮影:森島 カラー調整:平岡あゆみ(フリーカメラマン)

 

こんにちは。

カメラマンの森島です。

すっかり春めいてきた静岡市内。もうすぐお花見シーズン。宴会はできないけれど、カメラを片手にひとり桜鑑賞も悪くないものです。

2021年の春は今回だけ。しっかり楽しみたいものですね。

 

さて、今日の話題はカラーグレーディングについて。

カラーグレーディングとは色補正の一つです。

撮影した写真の色を現実の色の近づけていく現像作業や補正と異なり、思い描く色へ調整をしていく補正と言えます。

演出方法の一つといっても良いでしょう。

 

今日はある実験をしてみました。

弊社が展開する媒体に掲載の記事は女性向けのものが多いです。ならば、僕が撮影した写真を女性のデザイナーやフリーのカメラマンに現像や調整をしてもらったらどうなるか?

ふだんは演出をしないなるべく標準的な色、ここでいう標準とはなるべく現実の色に近づけた色味、あるいは、日本の写真の色の事実上の標準であったかつての富士フィルムの色を思い浮かべながら写真づくりをしているのですが、結果はいかに。

 

 

これは3人のデザイナーとひとりのフリーのカメラマンにつくってもらった写真を簡単に分布させたものです。

調整をお願いする際には、業界標準のAdobe社のソフトウェアの標準カラーで現像した写真とともに「できるだけ個人的な好みの色でつくってください」とお願いしました。

大きく分けてレッド・イエローの暖色系の方向とシアン・ブルー系の寒色系の方向に別れています。観察すると画像の中での明暗の取り扱い方に個性が出ているといっても良さそうです。特に寒色系の画像に仕上げたふたりは画像の明るい部分の明るさを抑え目とし全体的に落ち着いたトーンに仕上げています。

反対に暖色系に仕上げた二人は(フリーの方は標準的な色と個性を出した色の二つを作ってくれました。さすが!)、メリハリがついて元気な印象となっています。

 

ところで色に関する記事を探して見ると寒色系は落ち着きや信頼、コミュニケーションといったものを象徴する色、暖色系は明るさや希望、楽しさとったワードがよく出てきます。こうした記述は明確な数値による裏付けは示されていないことが多いので信ぴょう性という点で低いと考える人も多そうですが、概ね色に関する記事ではこうした見解が多く、それは長い人間の生活の中で言い伝えられていることだとすれば、否定もできないかなと個人的には考えます。

 

さて、これらの色。今、支持されるカラーはどんな色でしょうか?

またその理由はどうだろう?

今の自分に寄り添ってくれるから?

それとも元気にさせてくれそうだから?

 

今回、つくってもらった写真たちの中で、僕の周りでもっとも支持があったのは冒頭の写真の色でした。

その理由ははっきりはしませんが、個人的には明るさや元気を求めつつ今の現実を最も理解している色だから。そんな風に考えました。もしかしたら、10年くらい経ってから、あの時はこうだったね。という言葉とともに、今回支持された理由がもっと明確になってくるのかもしれません。
みなさんはどう感じましたか?

 

ところで流行はその時代に生きる人が求めたものが反映された結果とはよく言われる話です。

新しいものを作るとき重要なのはやっぱり今を見ることなのかな。なんとなく、人になにかをプレゼントするときとそのプロセスはよく似ているなとも思います。


今回は色をテーマに書きました。
制作において、個々人の中にある「好き」を起点に自分の身の回りの人のことを考え想像しながら制作できたら、もっと仕事が楽しくなりそうですね。


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